国会質問

2017年06月21日

加計問題・ゆがめられた行政を追及(5月26日文部科学委員会)

衆議院会議録情報 第193回国会 文部科学委員会 第15号

○大平委員 日本共産党の大平喜信です。
 国有地が破格の値段で払い下げられ問題になった森友学園の事件に続いて、大学獣医学部新設にかかわる規制突破に安倍首相の意向が強く働いたのではないかという、いわゆる加計学園疑惑が大きな社会問題となっています。どちらも、公正公平であるべき国の行政が安倍首相の近しい人たちの利益のためにゆがめられたのではないかという、こうした疑惑であります。
 さまざまな安倍首相の関与を示す資料などが今次々と明らかになってきておりますが、少しそれは横に置いておいて、まずは、私は、国家戦略特区諮問会議等での獣医学部新設の議論の経過を丁寧にたどってみたいというふうに思います。
 各地から獣医学部新設の要望がかねてからあったことは私も承知しておりますが、今回問題になっている国家戦略特区諮問会議のワーキンググループの中で獣医学部の新設の議論が始まったのは、いつごろ、またどういうきっかけだったのでしょうか。内閣府に説明を求めたいと思います。
○川上政府参考人 お答え申し上げます。
 特区ワーキンググループで獣医学部の新設の議論が始まった端緒ということでございますけれども、平成二十六年七月の十八日に開催をいたしました第一回の新潟市国家戦略特別区域会議におきまして、新潟市から獣医学部新設の提案が当初ございました。
 国家戦略特区におきましては、特区基本方針により、規制改革の提案があったものは実現に向けた検討を進めることとなっているということがございまして、平成二十六年八月の五日に特区ワーキンググループを開催し、獣医学部新設について議論を開始したという経緯でございます。
○大平委員 平成二十六年、二〇一四年八月五日ごろから、新潟市の提案によって議論が始まったということでした。
 その議論に、文部科学省は、どういう考え方、またスタンスで臨まれたのか。
 二〇一五年二月三日のワーキンググループの会議に文部科学省が提出をした「「獣医師養成系大学・学部新設の解禁」について」という資料がその日にも配られております。ここで明確に述べられていると思いますので、文部科学省、紹介していただけますか。
○常盤政府参考人 お答え申し上げます。
 文部科学省といたしましては、需給等の観点から獣医学部の新設を抑制してきたことがございますので、具体的な獣医師の需給の増減に関する見通しが明らかになった場合には、その見通しに応じ、適切に、獣医系大学の新設、定員増等の入学定員の見直しに向けた検討を行うという立場でございます。
○大平委員 局長、ちょっと質問に答えていただきたいと思うんですが、「「獣医師養成系大学・学部新設の解禁」について」という資料が、この二月三日、配られている。ここで文部科学省の立場を述べているわけですから、この内容を紹介していただきたいと思います。
○常盤政府参考人 お答えを申し上げます。
 獣医系大学における教育は獣医師の養成に特化しており、卒業生の就業と密接不可分であることから、その適正規模を検討するに当たっては、将来における獣医師の各分野における社会需要の見通しを踏まえる必要があるという立場で御説明をしているというふうに理解してございます。
○大平委員 あえて局長、読み飛ばされたのかと思いますが、その前に、獣医師養成に当たっては、その質の確保が国民の健康を初めとする国益に直結するものであることから、無制限に養成することは質の確保の観点から望ましくない、これは1ということで示されております。今答弁されたのは2、その上でということで、社会需要の見通しを踏まえる必要があるから、獣医系大学の定員管理は維持すべきだと。
 こういう二つの立場、考え方を持って、この日の会議に臨んでいるということであります。
 農水省にお伺いいたします。
 同会議に農水省は、同じく、どういう認識を持って議論に加わっていたか。
 獣医療法に基づいて、獣医療を提供する体制の整備を図るための基本方針、これも皆さん方は持っておられるわけですが、獣医療、獣医師の需給について、この当時、どういう認識で議論に加わっていたでしょうか。
○小川政府参考人 お答え申し上げます。
 まず一点目、獣医師の需給についてでございますけれども、近年、家畜やペット、あるいは犬、猫の飼養頭数はいずれも減少傾向にある一方、ペット一頭当たりの診療回数は増加していると考えられていることから、一概に申し上げることは難しいのでございますが、獣医師の数自体が全体的に不足しているという状況にはないという認識で参加しております。
 このような中、もう一点ございまして、産業動物獣医師につきましては、都道府県単位の畜産協会が、地元に就職することを条件に、獣医学生に対して修学資金を貸与する事業を実施しているという状況に鑑みますと、地域によってはその確保が困難なところがあるという認識でございました。
 これは、今委員御指摘がございました平成二十七年二月三日の時点でも、この認識は変わってございません。
 また、後半部分で、獣医療の点についても御指摘がございました。農林水産省は、委員御指摘のとおり、獣医療法を持ってございます。獣医療を提供する体制の整備を図るため、国の基本方針に即して県が定める県計画におきまして、自主的な取り組みとして、牛や豚といった産業動物の診療を行う獣医師さん、あるいは家畜伝染病に対する危機管理の観点から、農林水産分野の公務員獣医師の確保目標などを掲げ、確保に取り組んでいるところでございます。
○大平委員 一概に獣医師は不足しているわけではないという、この基本スタンスで臨まれた、こういう御答弁でした。
 この二〇一五年二月三日のワーキンググループ会議の議事要旨を私も読みました。これを見る限りでは、民間委員の皆さんが、いわば強引に、執拗に、獣医学部、獣医学科新設の解禁を迫ったのに対しまして、文部科学省の牛尾高等教育局専門教育課長は、次のように述べている。
 私どもとしては、既に構造特区の基本方針によって、全国対応としてどういうことができるのかということを検討させていただくというふうにさせていただいているので、今、その方針の中で一生懸命検討させていただいております、このように答えておられます。
 さらに、八田達夫座長、民間委員の方ですが、この方が、決定が何年先というのなら、新潟に関しては今すぐ決めていきましょう、それをまず先駆けにしましょう、こういう表現も含めて迫りましたが、それに対しても、文部科学省の牛尾課長は、いずれにせよ検討中でございますと発言をし、この日の会議は終わっております。
 文部科学省に確認ですが、この議論の流れに間違いありませんね。
○常盤政府参考人 お答えを申し上げます。
 今委員がお話しをいただきましたのは、ワーキンググループのヒアリングの議事要旨でございますので、それをお読みになられたわけでございますので、その中で御紹介された部分、例えば、私どもとしては云々のところですね、その箇所であるとか、いずれにせよ検討中でございますということについては、そのとおりでございまして、その間にも発言がございまして、委員会での一定の意見の取りまとめはできておりますので、行政的な検討をしているというようなことも含めて、発言をしているところでございます。
○大平委員 新潟市も含めて検討をする、こういうことで会議は終わっている、御答弁でした。
 新潟市での獣医学部新設というこの事業は、ワーキンググループ会議も含めて、その後、どう議論されたのか。ワーキンググループなどの会議が開催されて、さらにこの議論が深められていったのかどうか、内閣府、御説明いただけますか。
○川上政府参考人 お答え申し上げます。
 まずは、特区ワーキンググループの性格でございますけれども、自治体等からの規制改革提案を受けて、規制担当省庁と折衝を行うものでございますが、これは、規制改革の実現に向けて、場所を前提としない、制度面での議論を行うものでございます。
 獣医学部の新設につきましても、新潟市区域会議における規制改革提案が契機となって議論を開始したものではございますが、あくまで、場所を前提とすることなく、省庁と議論を開始したものでございます。
 この獣医学部の新設に関するワーキンググループでの文科省、農水省との議論は、その後、二十六年八月の五日、八月の十九日、十二月二十六日、翌二十七年一月の九日、二月三日、六月八日と回数を重ねまして、最終的に、平成二十七年六月三十日の「日本再興戦略」改訂二〇一五の閣議決定に結びついているというのが経緯でございます。
○大平委員 この議論が始まったのは、先ほども伺いましたが、新潟市の提案があってから、それを契機に始まったということでした。今もありました。その後、新潟市からの具体的な提案はなくなりましたから、この件に関する議論は行われず、もちろん事業計画の認定に至ることもなかったということになっています。
 しかし、その後のワーキンググループで、新潟市のこの区域計画については、エリアマネジメントに係る道路法の特例が、昨年、二〇一六年の九月に認定をされる、あるいは旅館業法の特例が、ことし、二〇一七年五月に認定されるなど、この二〇一六年度、二〇一七年度と、全体の議論は続いていたはずだ。あれほど強引に、執拗に、新潟で突破口を開けと迫っていた民間委員の方たちは、なぜこの点について議論を続けなかったのか、私には大変疑問に残ります。
 しかし、先ほど先取りのような答弁もありましたが、その後、国家戦略特区諮問会議ワーキンググループにおいて、獣医学部の新設の議論が再開をされた。二〇一五年の四月から六月にかけて実施をされた第二十七次募集で、愛媛県今治市から新しい提案がなされました。国際水準の獣医学教育、こういう新しい提案がなされたのが一つのきっかけになって、ワーキンググループでのヒアリングなどが同年六月に再開し、始まったと思っております。
 こうした今治市の提案に対して、文部科学省は、先ほどの質問と同じですけれども、当初、どういう考え方、スタンスで臨まれたのか。二〇一五年六月八日のワーキンググループのヒアリング会議におきまして、北山高等教育局専門教育課長は、冒頭でどのように述べられているか、御紹介いただけるでしょうか。
○常盤政府参考人 お答え申し上げます。
 文部科学省といたしましては、需給等の観点から獣医学部の新設を抑制してきたために、具体的な獣医師の需給の増減に関する見通しが明らかになった場合には、その見通しに応じ、適切に、獣医系大学の新設、定員増等の入学定員の見直しに向けた検討を行うとの、平成二十七年二月三日の国家戦略特区ワーキンググループから一貫した立場でお話をさせていただいているということでございます。
○大平委員 高等教育局長、聞いたことに答えていただきたいと思うんですね。
 この六月八日のワーキンググループでの皆さん方の北山専門教育課長の御発言を、これは大事だと思いますから、ぜひ明らかにしたいというふうな意味合いで聞いております。このワーキング会議の冒頭で、これは文部科学省の立場をはっきり述べている箇所ですから、何も包み隠すこともない、議事録にあるものですから、御紹介いただきたいと思います。
○常盤政府参考人 お答え申し上げます。
 当時のヒアリングの議事要旨に即して読み上げるようにということでございますので申し上げますが、北山専門教育課長から、
  この獣医系大学の新設についてでございますけれども、昨年夏以来、国家戦略特区ワーキンググループ、このワーキンググループで累次にわたって御説明を申し上げてきたかと存じます。構造改革特区の二十六次提案の対応方針で文部科学省から回答させていただいておりますが、具体的には、既存の獣医者の需要については、農林水産省さんに確認をしたところ、現時点では獣医師の需給に大きな支障が生じるとは考えにくいとのことでございました。このため、愛媛県・今治市が獣医系大学を新設したいということであれば、その既存の獣医師でない構想を具体化していただき、ライフサイエンスなど獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な需要を明らかにしていただく必要があると考えております。
ということでございます。
 これ以降も読み上げた方がよろしゅうございましょうか。(大平委員「結構です」と呼ぶ)
○大平委員 現時点では、農林水産省に確認をしたところ、獣医師の需給に大きな支障が生じるとは考えにくい、具体的な需要を明らかにしていただく必要があると。その後にも北山課長の発言は続くわけですが、このように、文部科学省の立場を述べておられます。
 今紹介されたこの論点が、先ほどもありましたが、内閣府等との調整を経て、「日本再興戦略」改訂二〇一五、この中に盛り込まれました。
 内閣府に改めて御確認ですが、「日本再興戦略」改訂二〇一五の「獣医師養成系大学・学部の新設に関する検討」の記述について御紹介いただけますか。
○川上政府参考人 お答え申し上げます。
 お尋ねの「日本再興戦略」改訂二〇一五の表現でございますけれども、「獣医師養成系大学・学部の新設に関する検討」という項目の中で、「現在の提案主体による既存の獣医師養成でない構想が具体化し、ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な需要が明らかになり、かつ、既存の大学・学部では対応が困難な場合には、近年の獣医師の需要の動向も考慮しつつ、全国的見地から本年度内に検討を行う。」という表現がなされているところでございます。
○大平委員 いわゆる獣医学部新設の四条件、今大変大きな問題、話題になっているこの四条件と言われているものであります。
 「日本再興戦略」改訂二〇一五は、二〇一五年六月三十日の閣議で正式に決定しているわけですから、当然、この当時、この四条件は正式な政府方針ということで間違いありませんね。内閣府、確認です。
○川上政府参考人 お答え申し上げます。
 閣議決定でございますから、御指摘のとおりと承知してございます。
○大平委員 政府の正式な方針で間違いないということでした。
 大臣にお伺いしたいと思います。
 文部科学省は当初、先ほど御紹介をした北山専門教育課長の発言などに見られるように、今治市が獣医系大学を新設したいということであればと、わざわざこういうふうに言いながら、現状はこの四条件をクリアしていないので、クリアする提案を行うべきだ、そういう趣旨の発言をし、文部科学省としてはそういうスタンスであったと、ここから読み取れるわけですが、松野文科大臣は、この今治市そして加計学園の提案がこの四条件をクリアしたという御認識でしょうか。
○松野国務大臣 お答えをいたします。
 国家戦略特区を活用した獣医学部の新設については、「日本再興戦略」改訂二〇一五を踏まえ、内閣府の国家戦略特区関係会議において議論をされました。
 平成二十八年十一月には、諮問会議において、先端ライフサイエンス研究や感染症に係る水際対策など、獣医師が新たに取り組むべき具体的な需要に対応するため、特例として、獣医学部の新設を可能とする旨の追加規制改革事項が取りまとめられました。
 再興戦略と追加規制改革事項の関係につきましては内閣府において説明すべきものでありますが、あえて文部科学省の立場を申し上げれば、一貫して、需給の観点から、特区を所管する内閣府に関係省庁と調整をいただきたい旨お願いしてきたところであり、最終的に、先ほど申し上げた追加規制改革事項がまとまったものと承知をしております。
 これを受け、国家戦略特区のプロセスにおいて、獣医師が新たに対応すべき分野における需要に対応する既存の獣医師養成でない構想の提案を受けて、今治市分科会において、国家戦略特区を所管する内閣府を中心に、獣医療行政を所管する農林水産省及び大学行政を所管する文部科学省も同席の上、同構想が確認されたところであります。
○大平委員 非常によくわかりにくい御答弁でした。
 私は、文部科学省自身が示してきた、そして、政府の正式の方針であるこの四条件に、内閣府か農水省かではなくて、文部科学省として、文部科学大臣として、これがクリアされたのかどうかというこの認識を伺っております。これは非常に重要なところですので、しっかりお答えいただきたいというふうに思います。
 具体的に、さらにお伺いしたいと思います。
 この今治市からの提案は、国際水準の大学獣医学部の新設、越境感染症や人獣共通感染症、国際的食の安全、バイオテロ等への危機管理等、国際対応の資質を持った人材を育成する、国際貿易自由化に伴う食品流通等で獣医学的支援の必要な水産、畜産、生物資源利用分野等との連携、ライフサイエンスの研究、教育と人材育成を進めるという提案の内容であります。
 これらの構想は、既存の獣医師養成にない構想であり、既存の大学、学部では対応が困難なものなのかどうか、この点について、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○松野国務大臣 お答えをいたします。
 内閣府の今治市分科会において、新設する大学、学部の目指す基本コンセプトとして、先端ライフサイエンス研究を行う国際教育拠点となることが示されています。また、同分科会において、有識者より、加計学園の構想について、アドバンス科目の配置、ライフサイエンスや水際対策分野への就業を促進するための工夫などの点が特徴的であることが確認をされたところです。
 また、既に他委員会でも内閣府から、英語での授業の実施を含め、感染症発生時に国際的な協調を図りながら水際対策ができるグローバル対応可能な獣医師を重点的に養成しようとする点で、既存の学部とは大きく異なると答弁がなされているところであります。
 これらの点から、内閣府におきまして、既存の獣医師養成でない構想が具体化し、既存の大学、学部で対応が困難な場合と判断をされたと理解をしております。
○大平委員 いや、内閣府がそう判断したということを私は聞いているんじゃないんです。文部科学省の、そして文部科学大臣の、この大事な四条件をクリアしているかどうかという決定的な、きのう、前川さんもおっしゃっていましたよ、ここが根拠が薄弱だということを元次官もおっしゃっていた。
 これまでの国家戦略諮問会議のワーキンググループなどの議論を見ておりますと、文部科学省は、先ほど御紹介をしたこれらの提案は、モデル・コア・カリキュラムにおいて既存の獣医師養成で行っている、既存の大学、学部で対応している、こういう趣旨の主張を繰り返してきたじゃありませんか。これは農水省の所管ですけれども、獣医療法に基づく国の基本計画でも大半は盛り込まれているものばかりであります。
 大臣にごまかして答弁していただきたくないと思うんですね。もう一度お答えいただけますか。
○常盤政府参考人 お答えを申し上げます。
 私どもの獣医学分野における大学の設置や定員のあり方ということについての考え方でございますけれども、現在抑制されているわけでございますが、それはなぜかといいますと、経緯から申し上げますと、やはり獣医師の需給というところについてが、その観点から抑制ということがされているわけでございますので、私どもの一貫した立場といたしまして、この獣医師の需給という観点について、担当省庁である農林水産省さんでの御検討を踏まえた政府としての意思決定が必要であるということを、私どもとしては繰り返し申し上げているところでございます。
 そういう意味で、今回の、今先生が御質問ございました点につきましても、内閣府を中心として、農林水産省と私どもが同席をする形で会議を開いて、その結果として、この点についての確認を行い、新たな獣医学部の設置についての話が進んでいるということでございます。
○大平委員 獣医師の需給、この後聞きますから、また問題にしたいと思うんですが、文科省自身が、これまでの議論の中でも、既存の大学、学部で対応していると述べているわけですよ。こういう問題が明らかになってくる中で、何だか文科省が、コメントを差し控えるとか、全く物を言わなくなった。極めて不可解な状況だというふうに言わなければなりません。
 これまでも焦点になってきた、ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な需要の問題、この問題についてもお伺いしたいと思います。
 内閣府に確認ですが、この新たに対応すべき分野における具体的な需要について、今治分科会において今治市から具体的に計算をして提案されていると思いますが、御紹介いただけますか。
○川上政府参考人 お答え申し上げます。
 ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき分野における具体的需要についてのお尋ねでございますけれども、これにつきましては、昨年十一月の諮問会議の取りまとめにもございますとおり、家畜、食料等を通じた人獣共通感染症の発生が国際的に拡大する中、先端ライフサイエンス研究や地域における感染症対策の強化など、獣医師が新たに対応すべき分野に係るニーズが一層顕著になっているという認識でございます。
 具体的には、近年の創薬プロセスでは、基礎研究から人を対象とした臨床研究の間の研究、これはトランスレーショナル研究というようでございますけれども、これによりまして、実験動物を用いた臨床研究など、獣医師の知見を活用した研究が重視されてきていること、また、家畜等の越境国際感染症の防疫対応は、都道府県の畜産部局と家畜保健衛生所における獣医師等が主体となって行うことでございますけれども、特に、緊急時、感染症が全国的に拡大する前に地域で封じ込めるためには、国際対応、危機管理対応が可能な獣医師に加え、防疫対応を支援する拠点たる獣医学部における人材の重要性も高まっていること、このように、具体的な獣医師の職域が多様化する一方で、新規獣医師の供給は毎年千人前後で固定していること、こういう中で、新規獣医師がライフサイエンス分野や水際対策の強化などの……
○永岡委員長 申し合わせの時間が来ておりますので、手短に御答弁をお願いいたします。
○川上政府参考人 新たな分野の需要に十分対応できないことが懸念されるというところで、このように具体的な需要が明らかになっているというふうに認識をしているところでございます。
○大平委員 聞いていることに全く答えていない。
 もう時間が来ましたからここで終わりにしますけれども、この新潟市の提案から今治市の提案に議論が移った経過初め、今質問してきた閣議決定の政府方針である……
○永岡委員長 時間が来ておりますので、御協力をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○大平委員 四条件を投げ捨てて、まさに認定してきた経過を見てくると、やはり、公平公正であるはずの国の行政がゆがめられたと言わざるを得ない。
○永岡委員長 終了してください。
○大平委員 委員長に、改めて、再調査と……
○永岡委員長 終了をお願いいたします。
○大平委員 前川前事務次官の証人喚問を求め、安倍首相にも来ていただいての集中審議を委員長に求め、私の質問を終わりたいと思います。