エッセイ

2015年11月07日

軍事費を削減し教育費へ――世界の流れ(民報2015年10月)

12094903_1509276832731467_2449286550865469262_o 10月7日、埼玉県の中学3年生15人の代表が国会に来られ、各党代表の国会議員と語り合うトークセッションがあり、私も参加しました。中学生たちが「格差」「エネルギー」「教育」という3つのテーマで、事前に学んできたことについて報告し、国会議員に質問するというもの。

 「教育」班の発表では、「世界全体の教育費と軍事費を視覚的にあらわすとどうなるか」と、紙テープの長さでそのことを示すという試みが。黄色の紙テープで示した教育費はわずか10数センチに対して、ピンクの紙テープで示した軍事費はどこまでも伸びて端から端まで1往復半、教育費の133倍の額だという報告に、国会議員や会場からざわめきと驚きの反応がおこりました。

 さらに中学生たちは言います。「これだけ世界で軍事費がふくらんでしまったのは、世界各国が軍事に対抗して軍事を強めようとエスカレートした結果ではないでしょうか。いまこそこの悪循環をたちきるべきだと考えます」。私も感服の思いで見聞きしました。

 私からは、IPU(列国議会同盟)主催の世界若手議員会合に参加し話し合われたことを紹介しながら、世界の大きな流れもみなさんと同じ方向を向いていると述べるとともに、日本では1機100億円もするオスプレイの購入を減らして、少人数学級の実現のための予算にまわすべきだとうったえました。

 その直後には、自民党のある議員も発言。「まず命が大事。命がなければ教育もない。命を守るために必要な軍備がある。日本をとりまく安全保障環境がかわった。ぜひそのことも知ってほしい」と。私に対する反論でもあったかと思いましたが、中学生たちのするどい問題提起にまったくこたえられていませんでした。

 中学生たちの真剣でまっすぐな眼差しに感動するとともに、誰がこの思いにこたえられるのかについての確信ももてる、たいへん貴重な催しでした。