エッセイ

2016年03月29日

第190国会の初質問―ー米軍岩国基地強化の撤回を(2016年3月16日付「しんぶん赤旗」西日本版・水曜随想)

2月25日、今国会最初の質問にたちました。衆議院予算委員会分科会で、テーマは米軍岩国基地問題について。
今でさえ耐えがたい爆音の被害を強いられているのに、その上、厚木基地からの艦載機移駐、F35Bステルス戦闘機の配備がおこなわれれば、岩国基地周辺と中国地方全土の被害はいったいどれほどのものになるのか――日本政府のアメリカにつき従う無責任な姿勢を告発し、配備計画の撤回、低空飛行訓練の中止を求めました。
質疑の中でもっとも力をこめたのは、被害を受けている住民のみなさんから直接お聞きした具体的な実態と声です。岩国基地から約1・5キロのところに住む60代男性は、騒音の記録を手の平サイズのノートにつけ続けておられます。「3月13日 (火)21時42分 雷鳴のようなごう音」「11月16日(月)朝4時30分、プロペラ機のエンジン音で目が覚める。大きな音ではないが、脳に響く」。
島根県浜田市の「あさひこども園」の園長先生からは、「戦闘機の音が聞こえたら、ただちに外遊びを中断して、子どもたちを部屋に避難させる。子どもの命や人権をないがしろにして何が防衛か、抑止力かと言いたい」と。
アメリカに国民の声を届け中止を迫るどころか、反対に自分たちに都合のよいデータで「被害は軽減されている」とむしろ住民を説得しようとする防衛省、「F35Bの日本配備を歓迎したい」とうそぶく岸田外務大臣にこうしたリアルな実態をぶつけ、「これだけの苦痛を強いていてどうして歓迎などできるのか」とうったえました。
移駐予定の機種・機数に変更がありうること、住民に説明をしている騒音予測はまったく実態をふまえていないことなどの事実も、質疑のなかで明らかになりました。
30分の質疑を終え、今回もまた汗びっしょり。予算委員会はいうまでもなく国政の行く末をうらなうもっとも重大な論戦の場です。たくさんの方のアドバイスをいただき、原稿を何度も何度も書き直して準備を重ねてきました。なによりも各地でお話を聞かせていただいたみなさんに心からの感謝を申し上げつつ、引き続き、みなさんの願いを代弁する論戦に全力で挑んでいきたいと思います