エッセイ

2016年05月04日

熊本地震――避難所の改善、被災者の生活再建を(2016年4月27日付「しんぶん赤旗」西日本版・水曜随想)

 最初の地震があってから10日後、熊本県の熊本市、益城町に入り、被害状況の把握と被害にあわれた皆さんへのお見舞い、そして、ご要望をお伺いしました。

 「その道の先は地獄絵図だぞ」――益城町で出会った男性がおっしゃった言葉です。 言われたところに行ってみると、まさにそのとおりの光景が飛び込んできて、ここで過ごしていたみなさんがいたことを思うと、しばらく言葉を失いました。震度7を2度続けて受けるという、誰も経験をしたことのない大惨事の一端を、被災者のみなさんが感じられた恐怖に思いをはせながら歩き、しっかりと目にやきつけました。

 1000人を超える方が避難している同町の総合体育館、また、熊本市の避難所の一つ、星ヶ丘小学校にも伺いました。「10日間フロに入ってない。ウェットティッシュで体をふくだけ」 「入れ歯をせぬままここに逃げ込んだが、支給されるおにぎりがまともに食べられなくて嫌になる。でも生きるためにはと、お茶で流し込んでいる」「『自分の力でがんばらねばとやってきたがもう限界に。トイレットペーパー1つだけでいいのでめぐんでくれませんか』と、涙ながらに避難所に来られた方がいた」――まさに命の危険がおびやかされている避難者が何人もおられました。なんとか生きのびた方たちが二次災害などで命が奪われることは、一人たりともあってはなりません。避難所の環境改善、とくに災害弱者といわれる方たちのていねいなケアは文字通り急務であり、政治の責任でただちに打つべき対策をちゅうちょなく打つことが求められます。

 被災地で見て聞いたリアルな実態と叫びを代弁し、なんとしても、救命・救助、生活の基盤となる住まいの確保をはじめ一日も早い生活再建のために私も全力をつくします。