エッセイ

2017年03月15日

核兵器禁止条約の締結へ背を向ける日本政府を批判(2017年3月15日付「しんぶん赤旗」西日本版・水曜随想)

 2月8日、今国会の初質問は予算委員会、テレビでもおなじみの第一委員室にて。当選し てすぐの年に立たせてもらって以来、2年ぶりのこの場での質問でした。

 2年前は文字通り の人生初質問。被爆者援護事業の拡充を求める質問で各大臣と論戦をおこないましたが、緊 張で頭は真っ白、汗はダラダラ、のどはカラカラ、ほとんど中身は覚えていないという状況 でした。 それ以来の今回。テーマは核兵器のない世界の実現に逆行する安倍政権の姿勢について。 岸田外務大臣と 30 分、一騎打ちでした。

 日本と世界諸国民の平和の願いに背を向け、核兵 器禁止条約締結決議に反対した安倍政権の恥ずべき姿勢を質したのに対し、岸田大臣は「我 が国の立場は一貫している」「我が国の独自の判断だ」との答弁を繰り返すばかり。私は、 アメリカによる「決議案に単に棄権するのでなく断固反対を」との書簡が出回り日本政府が 初めて棄権から反対にまわったその事実、そして、他でもない被爆者と被爆地からあがって いる「やっぱりアメリカ言いなりだ」との厳しい批判の声を正面からつきつけました。

 最後は、新婦人広島県本部作成の被爆証言集『木の葉のように焼かれて』を示しながら、 その一節を読み上げました。「朝は元気に出て行ったのに、爆風で、お寺の塀壁の下敷きに なって死んでいた同級生や、水槽の中で片足しか残っていなかった生徒。名もなく、道もな く、青春もなく、勲章ももらわずに、みんな、木の葉のように焼かれて、消えていった。妹 は、この世の中に何も残さずに消えていったままなのです」。大臣に被爆の実相をぶつけた ところで質問は終了。気づけばやっぱり下着は汗でじっとりでしたが、被爆者の方たち一人 ひとりの顔を思い浮かべながら、その怒りと願いを我が事としてはっきり伝えることがで きたのは、この2年のわずかばかりの成長と言えるでしょうか。被爆者が生きている間に禁 止条約の実現を――新たな決意で引き続きがんばります。