エッセイ

2021年08月30日

私と日本共産党~「黒い雨」たたかい胸に~大平よしのぶ

「松本さん、裁判勝ちましたよ! 松本さんたちのがんばり、世論の力でとうとう政府を動かしましたよ!」——7月28日、「黒い雨」訴訟の先頭に立ってがんばってこられた原告団副団長で日本共産党の元加計町議、松本正行さん(2020年3月死去)のお墓参りに行き墓前で報告しました。でもぜひ一緒に喜びあいたかった。私が松本さんと最後に直接お会いしたのが一昨年11月。別れ際に「大平さん、裁判で勝ってそして政治も変えんといけん。期待しとるで」と満面の笑みで背中を叩かれたのを忘れることはできません。

振り返れば、松本さんをはじめ数々の日本共産党員がこの運動の時には先頭に立ち、時には陰で支えてこられました。被爆者自身の命がけのたたかいとともに、私たちの先輩が「真理は必ず勝利する」との確信を失わず、国民と被爆者の苦難軽減を絶対に諦めないとがんばりぬかれたことが、この重い扉をこじ開け新たな歴史を切り開きました。限りない喜びと誇りを持って心に刻みたいと思います。

初当選し、「黒い雨」問題を取り上げた自身の国会初質問が2015年3月。戦後・被爆70年の節目の年でした。あれから6年の間に「黒い雨」訴訟の画期的判決が確定し、核兵器禁止条約が発効しました。核兵器廃絶とすべての被爆者の救済を本当に急がねば。最大の障害は日本政府のいずれにも背を向け続ける姿勢です。再びヒロシマの心を国会へ。議席奪還、政権交代、必ず。原爆投下から76回目の8月の決意です。