エッセイ

2023年11月30日

赤旗日刊紙西日本のページ11月29日付「水曜随想」

先日、山口県下関市に伺った際、桧垣徳雄市議から一枚のチラシをいただきました。見ると、どこにでもありそうな普通のチラシ。地元紙の朝刊の折り込みに入っていた地元ブティックの広告とのことでした。

一見普通のチラシですがよく見ると、「総理!」の大見出しから始まり「緊急物価対策です! 一旦、消費税を無くしましょう!」とうったえ、ご自身のお店で期間限定の消費税相当分の割引「店内全品10%割引セール」を実施するというもの。

さらにお店の広告とは思えない長い文章が掲載されています。「岸田首相が迷走しております」から始まり、「消費税が半分になれば確実に消費が拡大し経済の活性化には有効」「これ(※一回限りの給付金、一年限りの所得減税のこと)だったら私のような貧乏人は消費には当てず貯蓄に回すだけだろうなと思うのですが」などのうったえがつづられています。

自民党の影響力の強い下関の町で、一般紙朝刊の折り込みチラシに総理名指しでこれだけのことをうったえるというのは、「全品10%引きセール」とともに、ちょっとやそっとの決断ではないでしょう。それほどの切実さと怒りの表れだと受けとめました。

一方、国会に目を向ければ、我が党議員の消費税減税の決断を求める追及に、その効果の検証すらしないと言い放つ岸田首相。それどころか現在審議中の補正予算案には、大阪万博関係費760億円、マイナ保険証推進のために887億円、さらには長射程ミサイル取得、辺野古新基地建設など軍事費には過去最大の8130億円が計上されています。もはや完全に国民の声を聞く耳を失い(始めからありませんでしたね)、財界優先・アメリカいいなりで自身の延命だけが目的の岸田政権は退陣させる以外にありません。

次に下関市に足を運んだ際には、ぜひ同ブティックさんに伺いたいと思っています。寒くなってしましたし、セール期間は終わりましたが「紳士用厚地丸首シャツ2枚組、1399円」を買いたいと思います。