エッセイ

2024年02月24日

赤旗日刊紙西日本のページ2月14日付「水曜随想」

「われらは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである。われらは、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、普遍的にしてしかも個性ゆたかな文化の創造をめざす教育を普及徹底しなければならない」――旧教育基本法の前文です。
 今読んでも、いや今だからこそ、いっそう輝きを持った格調高い決意が胸に迫ってきます。2006年に第一次安倍政権のもとで同法は改悪されますが、ここに示された教育が果たすべき役割や教育行政がとりくむべき努力方向は、本質的にはいささかも変わりません。
 そんな教育行政を司る責任者の文部科学大臣が、通常国会冒頭から追及の的に。統一協会との癒着事件です。2021年の総選挙で彼らの集会に参加し選挙支援を呼びかけ、推薦確認書にサインをし、しっかりと応援してもらった、まさにズブズブの関係。国会での追及に「記憶にない」「うすうす思い出してきた」「よく内容を読まずにサインした」「いや、サインしてないかも」「どういう団体か知らずに参加した」…。あまりの不誠実な態度は、子どもたちにも見せられたものではありません。しかも、推薦確認書には憲法改正やLGBT問題は慎重に扱え(つまりやすやすと認めるなという趣旨)などの内容が盛りこまれていると言いますから、もはや目を覆うばかりです。
 「教えるとは希望を語ること。 学ぶとは誠実を胸に刻むこと」。言わずと知れたフランス詩人ルイ・アラゴンの有名な言葉。私も教員をめざし教育学部で学んだ大学時代、この言葉をはじめ教育現場での子どもたちとの営みの魅力やすばらしさに胸を躍らせ、その仕事へ憧れを抱いた一人です。教育にも政治にも何より求められる誠実さ。現大臣に一日たりとも居座らせるわけにはいきません。