国会質問

2016年05月18日

新国立競技場建設費、都民押しつけ・サッカーくじ頼みは許されない(4月20日文部科学委員会 討論)

衆議院会議録情報 第190回国会 文部科学委員会 第5号

○大平委員 私は、日本共産党を代表して、独立行政法人日本スポーツ振興センター法及びスポーツ振興投票の実施等に関する法律の一部を改正する法律案に対し、反対の立場から討論します。
 本法案は、新国立競技場をサッカーくじの売り上げと東京都民の負担で建設を進めるためのものです。
 新国立競技場の建設は、高額で豪華な施設の建設に多くの国民から反対の声が上がり、昨年七月に、政府は計画の白紙撤回に追い込まれました。しかし、その後、政府が改めて策定した整備計画は、建設費は縮小したものの、同規模の他の競技場と比しても高額であり、住民の立ち退きなどが問題となっている周辺整備計画もそのままで、簡素で無駄のない取り組みを求める国民の願いに応えた抜本見直しとはなっておりません。
 本法案は、新国立競技場の高額な建設費を前提とするものであり、簡素で無駄のない取り組みを求める国民の願いに反しています。
 政府は、新国立競技場建設費の負担割合を、国、サッカーくじ、都民負担で二対一対一とし、本法案で費用の確保、負担の根拠を定めています。質疑で明らかになったように、国費で負担するとされる七百九十一億円のうち、約半分をサッカーくじの売り上げ分から充当するとしています。結果として、建設費の大半をサッカーくじと都民負担に依存する仕組みとなっています。
 本法案は、新国立競技場の整備のみならず、日本スポーツ振興センターが所有あるいは今後整備するスポーツ施設についても、地方自治体に負担を求める仕組みになっています。本来、国立のスポーツ施設の建設は、国が責任を持ち、国費で賄うべきであり、サッカーくじの売り上げや地方自治体に負担を求めるべきではありません。
 スポーツ振興の財源をサッカーくじで賄うこと自体が問題ですが、本法案は、サッカーくじの売り上げの一〇%を新国立競技場の建設費に充てるもので、売り上げが低下した場合は、地域のスポーツ振興の財源が減少します。本法案で、サッカーくじの目的がスポーツ振興から公共事業の建設費に変質し、この点でも問題であることを指摘し、討論とします。(拍手)