国会質問

2016年11月22日

教育公務員特例法等改正案反対討論(11月2日文部科学委員会)

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○大平委員 私は、日本共産党を代表して、教育公務員特例法等改正案に反対の討論を行います。
 本法案は、大量退職、大量採用など、教員の年齢、経験年数の不均衡による弊害などを理由に、公立の小中高の教員の研修計画の仕組みを変えることを中心としたものです。
 まず指摘しなければならないのは、今日の教員の年齢、経験年数の不均衡は、政府がつくり出したものだということです。計画的な教員定数改善を行わず、採用抑制を続けてきた文部行政の責任であるにもかかわらず、この点への反省が全くありません。
 本法案は、公立の小学校等の教員の資質の向上を図るため、新たに文部科学大臣が指針を定め、教育委員会は、その指針を参酌して策定した指標を踏まえて教員研修計画を定めるという仕組みを導入しています。これは、教育委員会の定める研修計画を文部科学大臣の指針に従わせようとするものです。本来、自主的であるべき教員の研修を、文部科学大臣の指針のもとに置き、管理、統制しようというものであり、到底認められません。
 また、教育委員会が指標づくりのために設置する協議会に教員養成大学の協力を明記し、文部科学省の求める教員づくりに大学を組み込もうとしていることも看過できません。
 さらに、法案は、十年経験者研修を中堅教諭等資質向上研修に改めていますが、研修で中堅教員がつくられるわけではありません。一九九九年以来、初任者研修、十年研修、さらに教員免許更新制と、次々に行政による研修をふやしてきましたが、そのもとでどういうことが起きているでしょうか。
 特に初任者研修は多くの矛盾を抱えており、中教審答申も、初任者が授業を担当しつつ、多くの校内研修や校外研修をこなさなければならないことが、初任者の消化不良につながっていると指摘をしています。中にはパワハラまがいの指導も横行しています。こうした研修のあり方を根本から見直すべきです。教員の資質向上などと称して、国の方針のもとで、あるべき教員像を示し、研修で育成する方法で問題は解決しません。
 教員が、学びの専門家として、みずからの職責のために自主的に研修に取り組むことが必要です。行政研修の削減、校内研修の機会の確保、充実、少人数学級推進のための定数改善、多忙化の解消を進めることこそ、教育行政の責務ではありませんか。
 以上を指摘し、討論を終わります。(拍手)