活動日誌

2020年01月17日

核兵器固執は「逆流」に、被爆者に応え政権打倒(第28回党大会での発言)

党大会 前衆議院議員で、中国ブロック比例候補の大平喜信です。新しい党綱領を力に、来たるべき衆議院選挙で中国地方から市民と野党の共闘の勝利、なにより日本共産党の大躍進と議席奪還を必ずはたす、その決意を発言します。

 綱領改定案の報告では、綱領の世界論の根本的立場について「20世紀に進行した人類史の巨大な変化の分析に立って、21世紀の世界の発展的展望をとらえる」とし、今度の改定案は「この立場を徹底的におしすすめた」と述べました。毎日、テレビや新聞で語られるニュースは暗い話題が多く、例えばTBSの人気番組『サンデーモーニング』の正月スペシャルは、テーマを「幸せになれない時代」とした特集でした。こうしたもとで21世紀の世界には巨大な進歩の歩みが確かに刻まれていること、そしてその最大の原動力は日本を含めた各国の人民のたたかいであることを示した綱領改定案は、国民一人ひとりに生きる希望を、それこそ〝幸せになっていく希望〟を広げる大きな力になると確信しています。

 今度の改定案で新設された第9節がまさにその要をなす箇所ですが、3つの具体的課題の冒頭に核兵器問題があげられています。現行綱領では核兵器問題は「資本主義の諸矛盾」の中に位置づけられており、そこでは「核兵器は人類の存続にとって重大な脅威である」と述べた上で、「核兵器固執勢力のたくらみは根強い」と締めくくられています。

 これはこれで間違いなくその通りなのですが、今度の改定案では「前向きな変化に重点をおいた記述とし」、核兵器固執勢力のたくらみは「逆流」以外の何物でもないこと、核兵器のない世界をめざす諸政府と市民社会によってこの逆流は追いつめられ、孤立しつつあると銘記しました。このことによって核兵器問題がまさに報告が述べた「何が本流であり、何が逆流なのか」をはっきりと指し示す綱領上の位置づけへと改められたのです。

 これは、「前向きに書けば元気が出る」などという安易な発想では決してありません。また机に座って分析をしただけのものでもありません。

 私も2017年の核兵器禁止条約の国連会議に党代表団の一員として参加をしました。そこでは、これまで大国に支配されていた小さな国々が会議の主役として議論を仕切り堂々と意見をかわしあう、その一方でアメリカなど核保有国は外のロビーで細々と核兵器禁止条約への反対表明をしているという姿、また、被爆者のうったえに多くの外交官が静かに耳を傾け胸に手を当て被爆者と市民社会の代表に敬意と感謝の言葉を述べていたこと、その結論として核兵器禁止条約の条文にも被爆者をはじめとした市民社会の役割の重要性がはっきりと銘記されたことなど、まさに綱領改定案が示した「国際社会の主役の交代」や「市民社会が果たす大きな役割」を目の当たりにしてきました。

 8中総の報告で今度の改定案は「日本共産党が野党外交で世界に働きかけてきた強い実感に裏付けられたもの」としていることは私自身の実感でもあります。

 そんな綱領改定案がさっそく大きな力を発揮しています。昨年末に被爆者で元プロ野球選手の張本勲さんのお姉さんの小林愛子さんと対談をする機会がありました。そこでこの改定案の中身を紹介すると、小林さんは「すごい話を聞いたわ、私一人の署名のとりくみや証言活動が世界とつながっているのね」ととても感激をされ、「世界がそうやって核廃絶に向かっているんだから、安倍総理もトランプさんにはっきりものを言ってほしい。なんでも言われるままでアホみたい」と憤慨しておられました。

 また先日、広島である国の外交官と懇談をする機会もありました。我が党の外交政策やアメリカをどう見るか、野党共闘から機関紙活動まで次々と質問が寄せられ、そのすべてに綱領改定案などがピッタリとかみあい、最後には先方から「日本共産党の立場がとてもよくわかった。これからも団結していきましょう」と腕を組んで写真撮影もおこなうなど、深い共感と信頼が得られた貴重な懇談となりました。

 今年2020年は被爆から75年です。5年前、私が国会の初質問で「黒い雨」問題を取り上げた際に話を伺った被爆者の隅川きよこさんが昨年の夏、亡くなられました。黒い雨にあい、それからというもの貧血や下痢に日々襲われ、34歳で子宮がんも患うなど、さまざまな病気を繰り返してきた隅川さん。しかし政府は黒い雨被害者に不当な線引きを続け、「あなたの病気は『被爆したという思い込み』のせいだ」と言い放ってきました。現在裁判がたたかわれていますが、その決着も見ぬまま生涯を終えられたことを、隅川さんは一体どれほど悔しかったでしょうか。

 被爆者に残された時間は多くはありません。節目の今年、黒い雨裁判とノーモアヒバクシャ訴訟の勝利、広島市内最大級の被爆建物、旧陸軍被服支廠の解体を許さず保存・活用すること、なんといっても核兵器禁止条約の発効を必ず実現させること――市民社会の力、市民と野党の共闘の力で核保有国と日本政府・安倍政権を追いつめ、核兵器廃絶とすべての被爆者の尊厳回復へ画期的な前進を勝ち取る。その決意で私もニューヨークで開催される原水爆禁止世界大会に参加します。

 被爆者に「どこの国の総理大臣か」と言わせるような首相に、もう今年ヒロシマ・ナガサキに来させるわけには絶対にいきません。野党の共通政策に「核兵器禁止条約に署名を」をもりこみ、総選挙に勝利し安倍政権を倒すことは被爆者の命がけのうったえにこたえる私たちの責務だと心に刻み、全国の皆さん、なにより中国五県の皆さんと心ひとつに力をあわせて、中国ブロックでも日本共産党の大躍進と議席奪還を必ずはたします。「ヒロシマの心を世界へ、そして再び国会へ」――その先頭に立つ決意を述べて発言を終わります。