活動日誌

水曜随想2020年5月

「今もマスク1枚を中のガーゼを替えながら1週間使い続けている」と広島市内のある看護師さんからお聞きしました。その翌日、福山市で働く別の看護師さんからも同様の話が寄せられ、そのことをフェイスブックに書くと、山口県宇部市の病院で働く医療従事者の方からも「中のガーゼを替えながら1週間使い、かぶれて口の周りに湿疹ができた」とのコメントが届きました。

おいおい、一体マスクはどこにあるんや。全国の病院でいまだに枯渇状態ではないか。「備蓄していた50枚入りのマスク一箱を、各職員に『これで今年いっぱいもたせよう』と言って一つずつ渡した」というある病院での話を聞いたのが3月3日で、その後、事ある度に政府にも県にも求め続けてきましたが、あれから2カ月半がたった今もマスク事情はまったく好転していません。同じ頃に「あと数週間で在庫は底をつく」とおっしゃっていたあの歯医者さんは今どうされているのかとたいへん心配です。

病床確保の問題でも話を伺いました。中国地方のある地域の拠点病院では県からの病床確保の要請を受けて、6棟あるうちの1棟を丸々そのために空けたと。普段は一般の入院患者でいっぱいになるはずの1棟が2週間空っぽで大きな減収となり、持ち出しが続いているとのことでした。使命感で要請に応えようとすればするほど経営がどんどん大変になっていくのが現状です。「病床確保できてます」と県などは簡単に言いますが、実際はそうした現場の大変な献身に支えられており、国をあげた病院への抜本的な財政的補償は待ったなしです。

今「フライデーオベーション」と題した、金曜日に1分間みんなで拍手をし医療従事者に感謝しようという取組が行われています。感謝は当然ですし市民が自主的に呼びかけて行うことは大歓迎ですが、ある市の首長が独自支援策もそっちのけで率先してやっていると聞くものですから、昔のドラマでありませんがあえて言いたい。「拍手するなら金とマスクをよこせ!」。